高血圧症

血圧は全身の健康を左右する

 血圧とは、心臓から送り出される血液によって血管壁にかかる圧力のことです。血圧が高い状態を放置すると、血管がもろくなり、動脈硬化を引き起にします。さらには、狭心症や心筋施塞、脳卒中など死につながる病気を引き起こしますので、注意が必要です。

 高血圧症は自党症状がほとんどないまま病気が進行するので「サイレントキラー」とも呼ばれます。しかし、頭痛やめまい、肩こり、耳鳴りなどを自覚する場合もあります。

 正しい血圧を知るには、自宅で毎日同じ時間帯に同じ状態で測る必要があります。病院で測ると、「白衣性高血圧」といって、日頃の血圧より高くなることがあります。

高血圧の症状と特徴

 血液は、酸素や栄養素を全身の細胞に送り、また二酸化炭素や老廃物を回収する役目を担っています。血液は心臓から動脈を通って全身に送られ、静脈を通じてまた心臓に戻ってきます。ポンプの役目をする心臓は、からだのすみずみまで血液を送り届けるために血液に高い圧力をかけています。正常な人の安静時の血圧は130mn‐Hg未満とされています
が、これは12㎠当たりの水を約1.7m押し上げるだけの圧力ということになります。

 血管にはそれだけの圧力がかかり続けているのです。高血圧の状態になれば、この圧力はさらに増します。長期間、高血圧が続くと、血管が柔軟性を失って動脈硬化を起こしたり、傷んだ血管が動脈瘤になる可能性もあるのです。動脈硬化が進行すると、脳梗塞、脳出血などの脳血管障害や、心筋梗塞などの虚血性心疾患を引き起こします。

 また、血液をろ過するはたらきをもつ腎臓にも、高血圧は大きなダメージを与えます。腎硬化症から慢性腎不全、尿毒症になると、人工透析が必要な状態になります。高血圧は、ほかにもさまざまな病気の原因になります。生活習慣病に立ち向かうには、高血圧への対策は不可欠となります。

塩分の摂り過ぎに注意する

 高血圧症には、本態性高血圧症と二次性高血圧症があり、前者は日本人の高血圧症の90%以上を占めます。原因は明確ではありませんが、遺伝的要因や喫煙や飲酒をはじめ、不規則な食生活や運動不足、ストレス、不眠が重なって起こります。特に、肥満の人は、普通の人に比べて高血圧になる危険性が1.5倍以上といわれています。

  塩分(ナトリウム)をとりすぎると、細胞のミネラルバランスが崩れ、血液量が増えることで心拍数が上って高血圧になると考えられています。よって、血圧を上げないためには塩分を控え、同時に、ナトリウムの尿中への排せつを促すカリウムを摂取するために、野菜や果物を積極的にとりましょう。

高血圧症の診断基準

収縮期血圧130mmHg/拡張期血圧85mmHg以下が正常血圧とされ、140mmHg/90mmHg以上が高血圧症とされています。

正常血圧、正常高値血圧Ⅰ度(軽度)高血圧、Ⅱ度(中等度)、Ⅲ度(重症)高血圧

(日本高血圧学会)

食生活のポイント

塩分は1日男性8g、女性7g未満を心がける
  1. 果物や野菜をしっかりとる 果物や野菜には、血圧を下げる働きがある食物繊維やカリウムがたっぷり含まれています。
  2. 減塩を心がける① 減塩食品を積極的に使いましょう。フライや漬物には醤油やソースをかけないようにし、ラーメンやうどんの汁を飲まないことなどを心がけましょう。
  3. 減塩を心がける② 香辛料や酢、かんきつ類の酸味をうまく使いましょう。焼き物は味をつけずに調理し、食べる直前に塩や醤油をかけましょう。

特にとりたい食品・成分

青背の魚 イワシなどの青背魚に含まれるDHAやIPAは血栓を溶かす働きがあります。

イカ・タコ 血圧を正常に保つ働き があるといわれるタウリンが豊富です。

バナナ 血圧の上昇を抑える力リウムを豊富に含んでいます。牛乳と組み合わせると血圧を下げる働きがあります。

生活習慣を見直す

適正体重に見合ったダイエットをしよう 肥満は高血圧になる一番の要因です。減量することによって血圧が下がることがあります。

運動習慣も血圧を下げる 運動をすると、血液の循環がよくなり、血管にかかる圧力は減ります。

こんな人は要注意

  • 肥満である
  • 頭痛やめまい、耳鳴りがすることがある
  • 外食や加工食品を多くとっている
  • 血縁の家族に高血圧の人がいる

    参考資料「栄養の教科書」