胆のうの病気

痛みがなくても油断は大敵

 胆のうは、肝臓で作られる胆汁を貯蔵する臓器です。胆汁は胆のうから十二指腸に分泌されて脂肪を乳化し、膵液に含まれている消化酵素の働きを助けるのがその役割です。

 胆石は胆汁の成分が固まり、胆のうと肝臓や十二指腸をつなぐ胆管にできる固形物です。胆石症は無症状の場合も多いですが、腹痛、発熱、黄疸などの症状がある胆石発作が起こる場合もあります。 なお、胆石症の腹痛は暴飲暴食、高脂肪食、過労が引き金になるとされています。

 胆のう炎は細菌感染などにより引き起こされます。胆石がある場合がほとんどで、治療方法も胆石症に準じます。

主な胆のうの病気

  • 胆石症(ほとんどの人は症状が出ない)
    胆汁の成分が胆道の中で固まると胆石になります。発生の割合は男女比で1対2です。胆石の生じた部位によって、胆のう胆石、胆管胆石とよびます。胆石ができた人の3分の2は無症状ですが、残りの3分の1には胆石発作とよばれる激しい腹痛が起こります。無症状胆石の人が有症状に変わるのは年1%~2%と非常に低率です。代表的な胆石の症状は数十分から数時間におよぶ腹部(右肩、背部、胸部に及ぶこともある)の疼痛です。そのほか、腹部膨満、吐き気、倦怠感などの症状もみられます。
  • 胆管がん(男性の死亡率が高い)
    胆管に生じるがんの総称で、肝内胆管がんと肝外胆管がんに分けられます。浸潤(広がる)ケースでは、がんの範囲の特定が非常に困難になります。60~70歳代の男性に発症することが多く、胆管がんによるだんせいの死亡率はじょせいの1.7倍です。代表的な症状は、胆管内腔が閉塞するために起こる黄疸です。
  • 胆のうがん(女性に多く発症するがん)
    胆のうと胆のう管に発症するがんです。60~70歳代の女性に多く、男性の1.5~2倍の発症率といわれます。初期では無症状のことがほとんどですが、胆石症を合併していると、胆石による腹痛や発熱が現れることがあります。進行してくると、右わき腹の鈍痛、外から触るとわかる胆のうの腫れ、黄疸や食欲不振、吐き気、嘔吐、腹部の膨満感などが現れます。
  • 急性胆管炎(多くは細菌感染で起こる)
    肝臓内の胆管も含め、胆管に炎症が起きたもので、悪寒、発熱、右上腹部の痛み、黄疸などが代表的な症状です。重症化すると、急性閉塞性化膿性胆管炎となり、敗血症やショック症状、意識障害を起こし、死に至ることもあります。
  • 急性胆のう炎(食事の3~4時間後の腹痛)食事をして3〜4時間後に吐き気や上腹部痛、悪寒、高熱が起こります。黄色い液を吐いたり、尿の色が茶褐色になったり、黄疸や右上腹部に強い圧痛があることもあります。腹部全体がかたくなっている場合は、胆嚢が破れて腹膜炎を起こしている可能性があります。
  • 慢性胆のう炎(急性胆のう炎より症状が軽い)
    慢性的な消化不良や場所のはっきりしない腹痛、吐き気などがありますが、無症状の場合もあります。長期にわたって繰り返し胆嚢炎を起こしていると、胆嚢が厚くなり、線維化して縮んでいきます。この状態を放置しておくと、膵炎や、まれに胆嚢がんを引き起こすことがあります。
  • 胆のう摘出後症候群(取り残した結石によるものも)
    胆石症や胆嚢炎などの手術で胆嚢を切除した後に、腹痛、黄疸、発熱、吐き気、嘔吐、腹部の膨満感、便秘、下痢などの症状がみられるものです。
  • 胆道ジスキネジー(異状は見つからないが症状はある)
    別名を胆道運動異常症といいます。食後の右上腹部の痛み、右背部の痛み、吐き気、腹部膨満感、下痢、便秘などの症状がみられますが、胆道系(肝細胞から十二指腸に胆汁が排出されるまでの経路)には異常がみられません。糖尿病、妊娠、肝炎に付随して起こる場合もあります。食後、数時間で腹痛が生じるのは緊張亢進型、食事直後に腹痛を起こすのは運動亢進型、持続性の鈍痛は緊張低下型です。
  • 総胆管拡張症(東洋人の女性に多く発症)
    総胆管(胆道)が拡張し腹痛や黄疸がみられ、上腹部に触れるとしこり(腫瘤)が感じられます。乳児では灰白色の便、嘔吐、発熱がみられます。幼児期以降では、80%に腹痛があり、嘔吐を繰り返すことがぁります。東洋人の女性に多い傾向があります。小児期に発症、成人後に病気が発見されることも珍しくありませんが、治療が15歳以降になると、胆嚢がんや胆管がんの発症率が高くなります。

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コレステロールの少ない食事を

 胆石は成分によってコレステロール胆石と色素胆石に分けられます。日本人の20人に1人は胆石を持っているといわれ、食事の欧米化に伴い、コレステロール胆石が増えています。コレステロールの摂取を控え、食物繊維を多くとることが予防法です。

食生活のポイント

  1. コレステロールを含む動物性食品は適量摂取を。「肉より魚!」
  2. 摂取カロリーを減らすため、油を使った料理は控えめに。
  3. コレステロールの排せつを促す植物繊維をとりましょう。

特にとりたい食品・成分

  • ささみ 肉類なら脂質の少ない鶏のささみがおすすめです。豚肉や牛肉は、脂の少ない赤みを選び脂はカットしましょう。
  • 玄米 コレステロールの排せつを促す植物繊維が豊富に含まれています。玄米が苦手なら胚芽米や雑穀でもよいでしょう。

生活習慣を見直す

  • 暴飲暴食をしない 暴飲暴食をすると、胆のうの収縮リズムが乱れ、胆石発作引き起こしやすくなります。
  • 肥満予防のために運動を 胆石症は肥満の人がなりやすい病気の一つです。好きなスポーツで汗を流しましょう。

    参考資料「栄養の教科書」