認知症

脳の機能が低下し、回復できない状態

 認知症とは、これまでの学習によって獲得してきた知能のはたらきが、後天的な脳の障害によって低下し、日常生活に支障をきたす病気です。生理的な老化現象によるばけとは異なります。

 症状は、
①記憶を保つ時間が短く、さっき言ったこと言われたこと、したこと、されたことをすぐに忘れ、具体的な内容だけでなく、そのような行為があったこと自体を忘れてしまいます。朝食に食べた物を忘れるのは生理的な物忘れですが、朝食を食べたこと自体を忘れて、食べていないと言うのが認知症です。
②生活を営むうえで大事な、時間、場所、人に関する記憶、これを見当識といいますが、この記憶があいまいになります。日付がはっきりしなくなり、 昨日今日の感覚があいまいになり、次いで毎日歩いている場所で迷い子になり、わが家にいながら「自分の家に帰る」というようなことも起こります。さらには、自分のこどもの名前がわからなくなり、わが子や孫を兄弟姉妹に見立てたりすることもでてきます。
症状が進むと、
③物忘れをしたという自覚もなくなります。
④自分の意思を十分に伝えることができず、言い間違えが増え、ことばによるコミュニケーションが難しくなり、ついにはことばを口にしなくなる(失語)、
⑤洋服を着ることができない、鍵を開けることができない、排泄の処理ができないなど、求められる行動ができなくなり(失行)、
⑥今見ているものを認識することができなくなる(失認)、このようなことが程度の差こそあれ、生じます。

  性格的にも変化し、風呂に入るのを嫌が り、着替えをするのをおっくうがり、物事に無関心になります。もともとの執着心や疑い深さ、嫉妬心といった性格が強調されるようになることもあります。

  これらの症状、とくに物忘れは、つらいこと、嫌なことを忘れ、いい経験をしてきた場所に自分を置いて、老いてもなお前に進んで生きていこうとする自己防衛であり、生物のもつ力強さとも考えられます。反面、この症状が周囲には問題行動とうつる場合もあります。たとえば、探し物から始まり、「誰かに盗られた」というような物盗られ妄想、「誰かが悪口を言っている」「私を陥れようとしている」という被害妄想、目的もなく周辺をうろつく徘徊、家人に何か言われると、あるいは気に入らないことがあると大声で泣きわめいたりする興奮、夜間眠れずに、もうろうとした意識で幻覚を覚え大騒ぎをする夜間せん妄なども多くみられます。

脳の組織が死ぬ

中核症状

実行力障害、見当識障害、理解・判断力の障害、記憶障害など

 性格、素質  環境、心理状態

周辺症状・随伴症状

不安・焦燥、うつ状態、幻覚・冥想、徘徊、興奮・暴力、不潔行為、せん妄

厚生労働省「認知症を理解する」より

食生活のポイント 日本人はカルシウムが不足がち

  1. バランスのとれた食事を
    和食を中心とした食事にすると、よくかむので脳の働きを活性化させ、生活習慣病を予防します。 
  2. 脳の血流をよくする
    脳内の血流が悪くなると脳血管疾患のリスクが高まります。血栓予防に青背魚を多くとりましょう。
  3. ビタミンを多くとる
    ビタミンCやビタミンEの抗酸化作用が認知症の予防につながることがわかっています。

認知症の予防10カ条

  1. 塩分と動物性脂肪を控えたバランスのよい食事を
  2. 適度に運動を行い足腰を丈夫に
  3. 深酒とタバコはやめて規則正しい生活を
  4. 生活習慣病(高血圧、肥満など)の予防・早期発見・治療を
  5. 転倒に気をつけよう、頭の打撲は認知症を招く
  6. 興味と好奇心をもつように
  7. 考えをまとめて表現する習慣を
  8. こまやかな気配りをしたよい付き合いを
  9. いつも若々しくおしゃれ心を忘れずに
  10. くよくよしないで明るい気分で生活を

(公益財団法人 認知症予防財団)

特にとりたい食品・成分

  • 大豆・大豆製品 記憶力や集中力を高める大豆レシチンが含まれ、コレステロ―ルが血管に付着するのを防ぐ働きもあります。
  • 青背の魚 不飽和脂肪酸のDHAやIPA(EPA)を多く含み、血栓を予防します。
  •  抗酸化作用の高いアスタキサンチンを豊富に含みます。

生活習慣を見直す

気分転換となる趣味を持ちましょう

趣味に没頭したり、外に出かけて気分転換をするなど、気持ちを高めるようにすると、脳が活性化します。外に出なくても、日常的に話し相手がいて、会話をするだけでも効果的です。

こんな人は要注意!

  • 物忘れが以前よりひどくなっている
  • 急に感情的になることが増えた
  • うつのような症状がある

ギンコライド
イチョウの葉や根に含まれる香り成分の一種です。ヨーロッパでは、動脈硬化、肩こり、冷え性などの血行障害や認知症の治療薬として広く利用されています。

参考資料「栄養の教科書」