がん

コントロールが効かない危険な細胞

 がんは大きく3つに分類されます。白血病や悪性リンパ腫、骨髄腫などの造血器でできるがん。肺がん、乳がん、胃がん、大腸がん、子宮がんなどの上皮細胞でできるがん。骨肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、血管肉腫などの肉腫です。

 がんが発生するメカニズムはまだはっきりと解明されていませんが、もともと体内にある正常な遺伝子が活性酸素などによって傷つき、突然変異を起こすことが原因で起こると考えられています。転移などによって、全身をむしばむ可能性があると考えると、自分の一部でありながら制御できない危険な存在です。

がんの原因

細胞のミスコピーを引き起こす外的刺激としては、たばこがよく知られています。実際、がんの原因の30%がたばこで、食事と肥満も30%のがんの原因になっています。そのほか、運動不足、ウイルス(肝炎ウイルスによる肝がん、ヒトパピローマウ イルスによる子宮頸がんなど)や細菌感染 (ピロリ菌による胃がんなど)が原因として知られています。つまり、禁煙、食生活の改善、適度な運動、感染を防ぐことなど
で「なりにくくする」ことができるのです。

◎がんの分類

がん(広い意味での)にはいくつかの分 類の方法がありますが、どこから発生したかによって大きく2つに分けられます。臓器の表面を構成する上皮細胞からできるがんを癌(狭い意味での)、筋肉・骨・血液などの非上皮細胞からできるがんを肉腫とよびます。肺、胃、大腸などの上皮細胞は空気や食事などのからだの外からの刺激を直接受けるのでがんになりやすいのですが、筋肉・骨・血液は外からの刺激を直接受けませんので肉腫は癌より少ないのです。

 癌でいちばん多い組織型は、胃、大腸、肝臓、乳房、肺、前立線などのな泌夜を出す腺上皮にできる腺癌で、次に多いのが口やのど、食道、肺などに多い扁平上皮癌です。そのほか、膀胱などに多い移行上皮癌、肺などにみられる大細胞癌、小細胞癌、悪性度が高いことが多い未分化癌などがあります。

◎がんの進行度

  がんの進行度は、原発腫瘍(がんが発生した場所の腫瘍)の大きさと浸潤度、リンパ節転移の程度、他の臓器への転移があるかで分類され、0期、I期、Ⅱ期、Ⅲ期、Ⅳ期に大別されます。0期は非浸潤がんで、手術で取り除けばほぼ完全に治ります。原発腫瘍が比較的小さく、リンパ節の転移がないか、あっても少数のI期、Ⅱ期を早期がんといい、治りやすいがんです。Ⅲ期は原発腫瘍が比較的大きく、リンパ節の転移が多いもの、Ⅳ期は他の臓器への転移があ
るものなどで、さまざまな治療法を組み合わせて根気よく治療する必要があります。

健康的な食生活でがんを予防する

 がんは発生部位によって原因や治療法などが異なります。そのため、予防法も一様ではありませんが、免疫力を高める食事をとるとがんに対する抵抗力がつくとされています。

  免疫力を高めるビタミンA、C、Eなどの抗酸化ビタミンを十分に摂取し、逆にがんの原因になりうる脂質や塩分を過剰に摂取しないようにしましょう。

がんの危険因子

  特にがんを発生させる危険因子をしては、以下のようなものがあります。

リスクを下げるもの

確実

  • 運動 結腸癌
  • 授乳 乳がん

可能性大

  • 運動  乳がん(閉経後)、子宮体部がん
  • 果物  口腔・咽喉・喉頭がん、食道がん、胃がん、肺がん
  • 糖質が少ない野菜(とうもろこし、かぼちゃ、れんこんなど以外)  口腔・咽喉・喉頭がん、食道がん、胃がん
  • ねぎ類の野菜(ねぎ、にら、たまねぎなど)  胃がん
  • にんにく、植物繊維、牛乳、カルシウムのサプリメント  大腸がん
  • 食品中の葉酸  膵臓がん
  • 食品中のカロテノイド  口腔・咽喉・喉頭がん、肺がん
  • 食品中のβ-カロテン、食品中のビタミンC  食道がん
  • 食品中のリコピン、食品中のセレン、セレニウムのサプリメント  前立腺がん

リスクを上げるもの

確実

  • 肥満 ⇒ 食道がん(腺がん)、大腸がん、乳がん(閉経後)、子宮体部がん、腎臓がん、肺がん
  • 内臓脂肪 ⇒ 大腸がん
  • 赤肉、加工肉 ⇒ 大腸がん
  • アルコール  ⇒ 口腔・咽喉・喉頭がん、食道がん、大腸がん(男性)、乳がん
  • β-カロテンのサプリメント ⇒ 肺がん

可能性大

  • 肥満 ⇒ 胆のうがん
  • 内臓脂肪 ⇒ 膵臓がん、乳がん(閉経後)、子宮体部がん
  • アルコール ⇒ 肝臓がん、大腸がん(女性)
  • 塩蔵食品、塩分 ⇒ 胃がん
  • 中国式塩蔵魚 ⇒ 鼻咽頭がん
  • 飲料水中の砒素 ⇒ 皮膚がん
  • (高温で飲む習慣の)マテ茶 ⇒ 食道がん
  • 食品中のカルシウム ⇒ 前立腺がん

添加物のとり過ぎに注意

食品添加物のうち、合成化学物質の一部は、自然界に存在しないがゆえに、人間の体に取り込まれたときに、体内で消化・分解されにくく、そのまま腸から吸収され、血管内に入って異物として、体内を巡ります。動物実験などにより、それらが細胞の遺伝子に突然変異を起こすことで、がんを発生させるリスクが高くなることがわっかています。

食生活のポイント

緑黄野菜をしっかり食べる
  1. 緑黄野菜をしっかり食べる 緑黄野菜には発がん予防効果が期待されているβ-カロテンが豊富です。栄養のバランスをよくして免疫力を高めるにも役立ちます。
  2. 動物性食品に気をつける 動物性食品は良質なたんぱく質源となりますが、脂質も多く含まれるので注意が必要です。肉の脂身はなるべく控えましょう。
  3. 食べすぎないようにする 腹八分目が健康な体を作ります。よく噛んで食べると食べすぎを防げます。塩分の過剰摂取もよくないのでうす味を心がけましょう。

特にとりたい食品・成分

  • 緑黄色野菜 色の成分には抗酸化作用があります。積極的にとりましょう。
  • きのこ 発がん抑制作用があるとされている上に、植物繊維も豊富に含まれています。
  • 果物 野菜と同じく色や香りの成分には抗酸化作用があり、がん予防に役立ちます。

日本人のためのがん予防法

現状において日本人に推奨できる科学的根拠に基づくがん予防法

  • 喫煙 タバコはすわない。他人のタバコの煙をできるだけ避ける。
  • 飲酒 飲むなら、節度のある飲酒をする。
  • 食事 食事は偏らずバランスよくとる。
    *塩蔵食品、食塩の摂取は最小限にする。
    *野菜や果物不足にならない。
    *飲食物を熱い状態でとらない。
  • 身体活動 日常生活を活動的に過ごす。
  • 体型 成人期での体重を適正な範囲に維持する。(太り過ぎない、やせすぎない)
  • 感染 肝炎ウイルス感染の有無を知り、感染している場合はその治療の措置をとる。

(国立がん研究センター)

がん予防に効果のある食品

 アメリカの国立がん研究所は、長年の疫学研究データに基づいて、がん抑制効果のある食品を効果の高い順にピラミッドの表にまとめて発表しました。これらの食品がデザイナーフーズです。

 たとえば、にんにくは多数のイオウ化合物、キャベツはビタミンCやカロテン、大豆はイソフラボンやサポニン、ショウガはショウガオールやジンゲロールなどの抗酸化作用のある成分を含みます。これらの成分は活性酸素を消去してDNAの損傷を防ぎ、がん予防効果があることが明らかになっています。

 このデザイナーフーズにあげられている食品には、免疫力を高め、生活習慣病を予防する効果もあります。毎日の摂取を心がけましょう。

老化とがんを防ぐ

1990年、米国国立がん研究所が発表した、長年の疫学的研究データに基づいたがん予防に効果のある食品(主に野菜や果物)。活性酸素などによるDNA(遺伝子)の損傷を防ぎ、免疫力を高めて、生活習慣病を防ぐ作用もあります。上に行くほどがん予防など、体への健康効果は高くなります。

重要性の度合い

  • 重要度1 にんにく、キャベツ、カンゾウ、大豆、ショウガ、セリ科植物(ニンジン・セロリ・パースニップ)
  • 重要度2 タマネギ、茶、ターメリック、全粒小麦、亜麻、玄米、柑橘類(オレンジ・ レモン・グレープフルーツ)、ナス科(トマト・ナス・ピーマン)、アブラナ科植物(ブロッコリー・カリフラワー・芽キャベ)
  • 重要度3 マスクメロン、バジル、タラゴン、カラス麦、ハッカ、オレガノ、キュウリ、タイム、アサツキ、口ーズマリー、セージ、ジャガイモ、大麦、ベリー

参考資料「栄養の教科書」

水素は分子が非常に小さいため体内のどこでも自由に通過でき、血管が詰まっても悪いところまで届くため、さまざまな病気や治療に活用できると期待されています。